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2014年11月06日

ムーンパレスの十三夜

昨晩は、171年ぶりの「後の十三夜」」だそうで、月を見上げていた方も多いと思います。
宮古でも午後6時くらいから、薄暮に輝くきれいな月が見えました。

下の方が少しぼやけているのですが、そこがまた風情があってよかったですよ。

那覇で行われた自然派ワインのお祭りに宮古から遠征してきまして、そこで過剰にやりすぎちゃいまして。(関係者の皆さま、改めてお詫び申し上げます!)
しばらくはお酒を控えようかと思っていたのですが、こんなすばらしい月を眺めていたらやはり…うずうずと…



ムーンパレスの十三夜
「罪負ひて それでも呑みたき 十三夜」




さて、以前も月にまつわる映画や音楽を紹介しましたが、今回は小説を一編。



ムーンパレスの十三夜
ムーンパレス ポールオースター著

ぼくの一番のお気に入りの小説家、ポールオースターの一番のお気に入りです。
ニューヨークを舞台にした風変わりな青春小説です。
題名にあるムーンパレスは、主人公の住むアパートメントの近くにある中華料理屋の名前で、まあじっさい、それ以上それ以下でもないのですが、ものがたりが月面をふわふわ漂うような不可思議な雰囲気にあふれています。

大学生の主人公のマーコが唯一の肉親である叔父を亡くし、一文無しでセントラルパークでホームレス生活をするようになり、働きもせず、食べものを漁り、風邪を引き、死にかけたところを友人のジンマーと後の恋人キティに助けられるのです。



「僕は崖から飛び降りた。そして、最後の最後の瞬間に、何かの手がすっと伸びて、僕を空中でつかまえてくれた。その何かを、僕はいま、愛と定義する。それだけが唯一、人の落下を止めてくれるのだ。それだけが唯一、引力の法則を無化する力を持っているのだ。」(柴田元幸訳)




まあいってみれば、いい年して中二病の主人公が、我を張って無茶をやらかした挙句やさしい友人に救われるという展開なのですが、このセンテンスはいまだにぼくの胸を熱くしてやみません。
もしかして、ぼくも中二病かもしれませんね。



さて、こんなキレイな月の晩には、こんなキレイなワインはいかがでしょう。

ムーンパレスの十三夜
クリスティアンヴニエ ラ ロッシュ

澄んだ色あいのガメイです。 透明感があり、味わいもしっかり!















Posted by ガリンペイロ at 04:23│Comments(1)
この記事へのコメント
そういえば「オラクル・ナイト」借りたままだな、あんま入り込めてない。本に呼ばれてない。暫し待て。…フミオのせいで、登場人物みたいな人生だ。なんてね…。
Posted by たろう at 2014年11月13日 22:00
 
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